第1回 高崎サロン当事者と家族の会
9月16日に高崎での当事者と家族の会がありました。
ぽかぽかサロンでピアスタッフをされている2人が司会や進行、板書を務めてくれました。会を運営する中で
みんながどういうルールがあったら良いか話し合いました。
初めての会だったのですが、参加者の皆さんからはたくさんの意見が出て、
当事者同士のあたたかいやり取りも。これからどんな会になっていくのか楽しみです。
理事長の挨拶がありましたので以下、掲載致します。
「第1回高崎サロン 当事者と家族会の会発足に向けて」
日本は長い間、精神障がい者への福祉サービスは、治療という名のもとに一方的なサービスを提供していました。
それは、病気になって入院をしたことや施設に入所した方々の生活力を始め主体性や自尊心、生きる希望を失うなどの
施設症という二次的障害を生み出す結果になっていました。
日本は、2004年に「入院医療中心から地域生活中心へ」という理念を掲げました。
障がいがありながら、地域の中で生き生きと暮らすことについての様々な援助技術も開発しました。そのなかで、
ピアサポートという専門的で対等な関係を構築していく方法が注目を浴びました。詳しく説明しますと、ピアサポートとは、
同じような悩みや体験を持った者同士がその体験をもとにともに共感し合い、助け合う対等な支援の営みのことです。
当事者同士が安心して語れる場を作るという活動は、日本では早くから北海道の『べてるの会』が注目され、
全国から視察団が訪れたり、DVD化されました。更に、べてるから当事者が出張し講演活動もしておりました。
8年前だったでしょうか、当時まだわたくしが訪問看護をしていましたころ、志布志市でこの講演があり運良く
参加することができました。支援者も当事者も、おおらかで、平等で、ユーモア満載で私の常識を覆すものでした。
べてるでは、「三度の飯よりミーティング(語り合い)」が当たり前で、一日3度以上の語り合いが病院や作業所や
地域で習慣化されていたのです。私の中で、都城でもべてるのような語り合い場が出来たらいいな。そのことは、
当事者にとっては勿論、支援者にとってもこの都城にとっても良い効果をもたらすだろうという希望が沸き上がったのです。
実際に、法人設立し、5年間当事者の声に寄り添っていく中で、「自分だけがこのような病気になり
苦しんできているのではないか」「病気の話をしてはいけないと家族に言われたので、孤独だった。」中には
「こんな病気になったけど、人の役に立ちたい。」という生きがいを取り戻したいという思いも聞かせて頂きました。
当法人の運営する平日型のサロンでは、当初、専門職が中心となり「当事者が主体性を取り戻すための支援」を
おこなっていましたが、さきの当事者の声を反映して、現在では、ピアスタッフを雇用し、ピアスタッフを中心に
当事者同士が主体となって語り合いができるよう運営を始めています。
今回、この高崎サロンでも当事者会発足のお声が挙がったということは本当に喜ばしいことと感じております。
どうぞ、今まで話せなかった事、例えば、病気の事、社会の事、自分自身の事、そして生きていく中で、
起こるであろう順調な問題の事、大いに語り合ってください。そうすることで生きづらさがやわらいだり、
お仕事につくことができたり、助け合って、地域の中で生き生きと暮らしていくことができるでしょう。
更に、2021年の今年から、ピアスタッフが福祉サービスの報酬に評価される時代になりました。つまり、
ピアスタッフが福祉サービス事業で雇用されることが叶うこととなったのです。
この当事者会を継続していくことで、其々の未来に可能性が膨らんでいくことと願ってやみません。
あなたの街の応援団 理事表 榎木やすよ
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